「……ほら、触れたじゃん。俺、幽霊じゃないから。安心して。」

2007年8月、中学校生活最後の夏休み。日本は全国的に記録的な猛暑に襲われていた。
吹奏楽部に所属する六花は、最後のコンクールで惜しくも東関東大会への切符を逃し早々に引退。
初めて "部活のない夏休み" を過ごしていた。

8月前半から暇になるのは珍しく、コンクールの燃え尽き症候群もあってか
幼馴染の奈也子が買って来てくれた「ガリガリくん」を頬張りながら、扇風機の前で項垂れる。

この夏休みをどう過ごすかダラダラと話し始めるが、ジリジリ照り付ける太陽と煩い蝉の鳴き声になかなか頭が働かない。
もちろん、ひと夏の青春が終わってしまったことへの寂しさもある。

そんな二人を見かねた六花の叔父・弘成は、夏にピッタリの "肝試し" を提案してきたのだった。

一足先に待ち合わせ場所に着いた六花。
石段に座って二人を待っていると、どこからか声が聞こえる。















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